わたしの来た道 vol.15 (寺嶋 克幸)

チーム医療―協力、助けてくれる人がいる

私は、当院の隣にある千代田区立佐久間幼稚園~佐久間小学校の出身です。3歳の頃、頭部外傷に対して当院で処置を受けました。患者として、三井記念病院には感謝しています。当時、病院とは患者を受け入れる公的施設としか認識していませんでしたが、医師となった現在、医療を提供する根底には患者を思いやる心(ハート)が必要不可欠だと認識するようになりました。そして、地域の住民の方々に対して、少しでもお役に立てるように2010年から当院で勤務するようになりました。

我々が医療を提供するためには、私医師1人が提供できるわけではなく、看護師・事務・システムに係る従業員すべてがうまく組み合わさってよい医療を提供できるわけです。私は手術室で手術麻酔を提供しておりますが、紹介していただける外科医の先生、手術室の準備をしてくれる手術室看護師や手術室の助手、病棟の看護師、受付の事務員のスムーズな連携や業務の上に成り立っているわけです。

我々の提供する麻酔自体は患者さんの治療をするものではなく、主に患者さんの催眠と痛みを和らげることを提供するものです。外科医の先生方には手術をやり易い環境を提供します。痛みに対する反射的な体動を抑制したり、呼吸や循環動態(血圧や脈拍数など)を最適化します。呼吸は主に人工呼吸により調節します。この人工呼吸の設定によって、術後の呼吸器合併症(肺炎や上気道炎、肺水腫など)の発生率を低下させることが可能です。血圧や脈拍数の最適化もやはり、患者さんの安全だけでなく、手術のやり易さにも関係してきます。

安全・安心、信頼される手術医療のために

公共交通機関や食の安全などにも求められているように、我々三井記念病院は安全な手術医療を患者さんに提供するために努力を続けています。当院では、2010年から世界保健機関(WHO)の推奨する手術に関するチェックリストを導入しました。これは、麻酔や手術を提供する前と終了時に、安全な医療を提供するための準備に関する確認と、手術室で施された医療内容の病棟への伝達事項、手術後の治療内容と注意点を外科医・麻酔科医・手術室看護師で手術室内において確認するものです。これにより、シームレスな治療の継続が病棟から手術室、手術室から病棟へと受け継がれていくわけです。また、日本国内のガイドラインだけでなく、世界で発表されたガイドラインなどをもとに、患者さんの早期回復を導く方法も導入し、改良し続けていきます。今後とも、地域のみならず、当院を利用する患者さんすべての方に、安全で安心される医療の提供を心がけていきます。

出典:三井記念病院広報誌『ともに生きる 』「智情意」(Vol.20、2016年10月18日発行、三井記念病院 広報部)

関連リンク

寺嶋 克幸 (麻酔科 部長・中央手術部 部長)

寺嶋 克幸麻酔科 部長・中央手術部 部長

1993年
日本医科大学医学部 卒業
日本医科大学麻酔科学教室 入局
2000年
日本医科大学大学院 修了
日本医科大学付属病院 麻酔科 助手
2001年
栃木県小山市民病院 麻酔科 医員
2002年
Sahrgrens University, Department of Anaesthesia and Intensive Care, research fellow
2003年
日本医科大学付属病院 集中治療室 助手
2005年
日本医科大学付属病院 麻酔科 助手
2006年
日本医科大学付属病院 麻酔科 講師
2009年
日本私立学校振興・共済事業団 東京臨海病院 麻酔科 部長
2010年
明治大学大学院 経営学研究科 修了
三井記念病院 麻酔科 部長代理
2011年
麻酔科 部長
2013年
手術センター 部長(兼任)
学会認定
日本麻酔科学会指導医
日本麻酔科学会専門医
日本ペインクリニック学会専門医
日本集中治療医学会専門医
専門分野
医療安全学
周術期管理医学
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