三井記念病院眼科が診療再開 患者を救う白内障手術

眼科 部長・國富 由紀子医師に聞く

社会福祉法人 三井記念病院の眼科は、このほど新規の白内障手術の受付を再開した。同病院眼科で、これまでに3万件を超える白内障手術をしてきた國富 由紀子医師(眼科部長)に話を聞いた。

――白内障とはどんな病気ですか。

白内障は、目の中の水晶体が濁り、光が入りにくくなることにより視力が低下する病気です。目がかすむ、明るい所だとまぶしくてよく見えない、逆に暗いところでは見えづらいという症状がでます。

――白内障は老化現象といえますか。

何歳でも発症する可能性があり、アトピーの方や薬剤の副作用によるもの、糖尿病、外傷などで白内障になることもあります。おおむね60代で60%、70代では70%もの方が白内障と言われるように、加齢によって発症する方が多くいらっしゃいます。

――三井記念病院での白内障手術の特徴はどんなところですか。

白内障を治すためには、濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを入れます。水晶体を取り除くため角膜(黒目)を約2mm切開しますが、これは世界的にみても大変小さい切開です。この切開部分から、濁った水晶体を砕いて取り出し、新しい眼内レンズを挿入します。手術時間は症状にもよりますが5分程度と短時間です。

切開が小さいと、治りが早く、早期に仕事に戻ることができます。また、出血がなく、手術後に白目が赤くならないので、人に会っても気づかれません。当院では状態にもよりますが、日帰り手術、入院手術のどちらも可能です。遠方から来られる方や他の病気をお持ちの方などは入院手術を選ばれると安心です。

――どんなレンズを入れるのですか。

当院では、ライフスタイルに合わせて様々なレンズを選べます。非球面単焦点眼内レンズ(健康保険適用)は、ご希望の距離に焦点を合わせ、それ以外の距離は眼鏡で補います。その他乱視矯正用、遠近両用多焦点などの眼内レンズを取り揃えています。白内障手術を受けるにあたりどのレンズを選択するかということはその後のライフスタイルに大きく影響し、大変大切なことです。患者さんとご相談しながら眼内レンズを選んでいきます。

――患者さんを治療されて、どんな時が嬉しいですか。

手術が終わった患者さんから、「最初はこわかったけれど、手術をしてよく見えるようになり本当にうれしい。助かったよ、先生」と喜びの声を聞く時が何より嬉しい瞬間です。目がよく見えるようになると、皆さんとても元気になります。

――今後の抱負を聞かせてください。

私は、「きれいな手術をして、患者さんに喜んでいただきたい」という気持ちを医師になった時から持ち続けています。患者さんとよい信頼関係を築きながら白内障を治すことが私の生きがいです。症状が出てきたら手術を怖がらず受診してみてください。

――本日はありがとうございました。

◆受診など詳細は、三井記念病院ホームページへ。

出典:『三友新聞』(2018年4月19日発行、三友新聞社)

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國富 由紀子 (眼科 部長)

國富 由紀子眼科 部長

1990年
千葉大学 卒業
東京大学医学部附属病院 眼科学教室
1991年
三井記念病院 眼科
1996年
眼科 医局長
2007年
眼科 科長
2018年
眼科 部長
学会認定
日本眼科学会専門医
専門分野
白内障
眼瞼手術
眼瞼ボトックス治療
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