2020年度 歯科臨床研修プログラム

2019年3月
社会福祉法人 三井記念病院
歯科医師臨床研修管理委員会

1.病院の概要

当院は、歯科・歯科口腔外科を含め33の診療科と2つのセンターからなる総合病院である。臨床研修病院であるとともに、各種専門医・認定医の指導病院として指定されている。明治39年、財団法人三井慈善病院として設立され、数回の名称変更を経て新たに三井記念病院として発足した昭和45年、同時に歯科口腔外科も新設され今にいたっている。

現在は日本口腔外科学会の口腔外科認定医研修機関に指定され、日々実習・研修生等を受け入れ、積極的に教育活動を行っている。

2.研修プログラム

(1)研修の狙い

1年間の研修を通じ、医療人として必要な基本姿勢・態度を身につける。

患者と医師の関係を適切に保ち、チーム医療の一員として、多様な医療現場でのコミュニケーション能力、問題解決能力を育成することを常に念頭に置きつつ、面接、診察、症例呈示、治療計画での経験を通じ実践する。

  1. 患者を全人的に理解し、医学的のみならず心理的・社会的条件にも配慮して、患者及びその家族との良好な人間関係を築く。
  2. 医療行為を通じて、他の歯科医師、医科医師、看護師、その他コメディカルスタッフとの協調(チーム医療)を学ぶ。
  3. 患者の適切な病歴聴取と理学的検査を行い、診療記録に必要十分な記載ができ、適切な検査・治療の計画を立てる。
  4. 基本的技能を身につけ、一般的な応急処置および頻度の高い歯科治療処置を確実に実施する。また歯科診療時の全身的偶発事故に適切に対応する。
  5. カンファレンスや学会に積極的に参加し、自己研鑽と自己評価を常に行えるよう努力する。
  6. 医療の果たすべき社会的役割を体験的に理解する。

(2)研修の到達目標【基本習熟コース】

① 医療面接

  • 患者の心理・社会的背景に配慮し、インフォームドコンセントを確実に実施しつつ適確な病歴聴取を行う。
  • 患者のプライバシーや個人情報に配慮し、心身のQOLを良好に保つ。

② 総合診療計画

  • 基本的な診察・検査を実践し、適切な判断・診断を行う。
  • 診断をもとに、適切な治療計画を立案・実行する。

③ 予防・治療基本技術

  • 基本的な予防法・治療法を実施し、医療記録を適切に作成・管理する。

④ 応急処置

  • 疼痛、歯・口腔・顎顔面の外傷に対する基本的な治療を実践する。
  • 修復物、補綴装置等の離脱と破損および不適合に対する適切な処置を実施し、一般的な歯科治療に必要な臨床能力を身につける。

⑤ 高頻度治療

  • 齲蝕、歯髄疾患、歯周疾患、抜歯、咬合・咀嚼障害の基本的な処置を実践する。

⑥ 医療管理・地域医療

  • 保険診療を実施する。
  • チーム医療を実践する。
  • 地域医療に参画する。

(3)研修の到達目標【基本習得コース】

① 救急処置

  • バイタルサインを観察・評価し、歯科診療と全身疾患に関するリスクや対処法を適確に説明する。
  • 救急処置における知識や態度および技能を習得する。
  • 一次救命処置を実践し、二次救命処置の対処法を説明する。

② 医療安全・感染予防

  • 『医療安全対策』『アクシデント・インシデント』『医療過誤』について説明し、また院内感染対策を実施する。

③ 経過評価管理

  • 自ら行った治療の経過および結果を観察評価し予後を推測する。
  • リコールシステムの重要性を説明する。

④ 予防・治療技術

  • 専門的な分野の情報を収集し、体験する。
  • POSやEBMに基づいた医療を説明する。

⑤ 医療管理

  • 歯科医療機関の経営管理を理解し、必要に応じた医療情報の適切な収集を行う。
  • 適切な放射線管理を実践する。
  • 医療廃棄物を適切に処理する。

⑥ 地域医療

  • 歯科訪問診療を体験し、地域歯科保健活動について理解する。
  • 医療連携を理解する。

(4)研修プログラムの特色

歯科研修においては、患者を担当することによって基本的な一般歯科治療を履修するとともに、口腔外科疾患に関わる病棟管理をはじめ、総合病院という医療環境の中で、有病者に対する歯科治療時の留意点に配慮する習慣を身につけることを目標とする。

(5)研修プログラム概要

前期6ヶ月は指導医と共に患者を担当し、基本的な治療技術を履修する。

  症例名(経験内容) 目標症例数 症例の数え方 修了判定基準
1 他科医師との連携(依頼状、報告書の作成) 10 1症例に対し、1人の研修医が担当する 80%以上
達成/年間
2 画像診断(デンタル、パントモ、ウォーターズ、頭部、下顎骨斜位) 10
3 窩洞形式と保存修復(レジン修復、インレー修復) 5
4 単根管の抜髄、感染根管処置、根管充填 5
5 歯冠充填 10
6 補綴物修理・調整 10
7 歯周検査(診断と治療方針、歯周検査基本、精密) 10
8 抜歯 30

後期6ヶ月は独立して患者を担当し、指導医の指導のもとで診療を行い、より高度な治療技術を履修する。

  症例名(経験内容) 目標症例数 症例の数え方 修了判定基準
1 画像診断(顎関節、CT、MRIセファロ) 10 1症例に対し、1人の研修医が担当する 80%以上
達成/年間
2 複根式の抜髄、感染根管処置、根管充填 5
3 固定式欠損補綴処置 5
4 可徹式欠損補綴処置 5
5 歯周治療(初期治療、歯周外科、メインテナンス) 10
6 難抜歯 10
7 顎関節症の検査及び診断 5
8 入院患者の管理(病歴採取,必要検査項目のオーダー、診断、採血、点滴、手術、術後管理、手術日の当直) 15
9 外部施設特別養護老人ホーム(陽光苑)での口腔ケア 3

(6)臨床研修を実施するにあたって

総合病院の歯科という環境から、他科医師との連携を通じて、有病者歯科治療時の留意点を学ぶように配慮している。

(7)研修指導体制

① プログラム責任者:

歯科・歯科口腔外科部長 津山 泰彦 日本口腔外科学会指導医/専門医
指導歯科医養成講習会受講済
第7回指導歯科医講習会受講済(財団法人歯科
医療研修振興財団・日本歯科大学)(H12.9.1~3)

② 指導歯科医

歯科・歯科口腔外科部長 津山 泰彦 同上

③ 指導体制

<研修管理委員会>
臨床研修全般の管理運営、臨床研修委員会の立案、作成した臨床研修プログラムの管理、研修歯科医の管理と研修状況の評価(中断・修了時の手続き・研修修了判定の評価を含む)、指導歯科医等の管理・指導、臨床研修の改善について調査研究などを行う。

<プログラム責任者の役割>
プログラム責任者は、1年間を通じて、個々の研修歯科医の指導・管理を担当する。プログラム責任者は、指導歯科医と密接な連携をとり、研修歯科医の目標到達状況を適宜把握し、研修歯科医が修了時までに到達目標を全て達成できるように調整を行うとともに、研修管理委員会にその状況を報告する。

プログラム責任者の他に、副責任者を原則として1名配置し、1年間にわたって研修歯科医の研修状況を把握するとともに、相談等に応じる。

<指導歯科医の役割>
指導歯科医は、担当する診療科での研修期間中、研修歯科医について診療行為も含めて指導を行い、適宜目標達成状況を把握する。

<指導体制>
研修歯科医は指導歯科医の直接的指導の下で研修を行う。

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