腎臓内科プログラム

腎移植を除く全ての腎疾患の内科的診療を受け持ち、本態性・二次性高血圧、急性・慢性腎疾患、保存期・末期腎不全の診断と治療を行います。シニアレジデントは腎臓内科の診療全般に関わり、スペシャルレジデントはレジデント教育など指導的な役割と臨床研究への参加を通じて腎臓内科の見識を深めていきます。

当院は総合内科制で診療しており、腎臓内科医は他の内科専門部門と協力しつつ、内科全般の診療にあたります。腎臓内科の枠にとらわれず、総合的な内科診療能力を備えた医師の育成を目標にしています。

主な診療・研修内容

  1. 高血圧の診断・評価・治療(二次性高血圧、合併症管理を含む)
  2. 保存期腎不全の診断・管理
  3. 腎炎・ネフローゼ症候群の診断・治療(腎生検手技、病理診断を含む)
  4. 血液透析導入、慢性期・合併症の管理
  5. 腹膜透析導入、慢性期・合併症の管理
  6. 急性腎障害の診断・治療
  7. 膠原病、血管炎 etc 全身性疾患に伴う腎障害の診断・治療
  8. 急性血液浄化療法(HCU、CCU、ICUにおける急性期管理、持続血液透析濾過(CHDF)を含む)
  9. 血漿交換、吸着療法などの血液浄化療法
  10. 他科で発生した腎障害のコンサルテーション
  11. 外部の病院、透析クリニックからの紹介・コンサルテーションへの対応

など。

研修プログラムと達成目標

上記診療経験を通じて、

  1. 外来および入院の腎臓内科診療、診断・治療方針決定を行えること
  2. 他科からのコンサルテーション(腎機能障害、高血圧、水電解質異常)に適切に対応できること
  3. 内科専門医収得に十分な内科全般の症例を経験すること
  4. 腎臓学会、透析医学会の専門医収得に必要な症例・経験を積むこと

が目標です。

シニアレジデント(4〜5年目)

原則として毎年1〜3名採用します(内科の他の専門部門とのバランスによる)。

内科全般から、徐々に腎臓内科診療の割合を増やしてゆきます。後半は、腎臓内科チーフレジデントとして後進の指導にあたります。

全期間を通じ内科全般の症例を担当し、総合内科専門医資格取得も可能な様に努めています。CCU・HCU症例も経験します。

スペシャルレジデント(6〜8年目)

隔年で1名程度採用します。腎臓内科の日常診療に携わるとともに、レジデントの教育、臨床研究への参加を通じて腎臓内科の見識を深める。原則として腎臓内科の少数症例を受け持ちます。

※オプションとして(時期によって)血液・腹膜透析アクセスの作成手術(循環器・消化器外科医の指導)、心臓超音波読影(循環器内科医の指導)に関わることも可能です。
※症例・研究発表も積極的に行っており、国内外の学会・研究会で発表の機会があります。特にシニア後半〜スペシャルレジデントの時期に、海外学会発表を目標にしています。

主な診療実績

腎生検:約30〜40例/年
透析導入:約40〜70例/年
合併症を有する透析患者の入院:約550〜600例/年
※内科全般、とくに循環器合併症(心・腎連関)を多く診療できることも、総合内科制である当院シニアレジデントプログラムの大きな特徴です。
※保存期、末期腎不全を問わず、循環器科、糖尿病代謝内科、膠原病リウマチ内科など、他科と協力して診療にあたる症例を多数経験できます。
外来CAPD患者:約30例

主な行事

  • 部長回診(週1回)、チャートラウンド(週1回)
  • 抄読会・学会予行(週1回)
  • 透析カンファランス(週1回)
  • 腎病理カンファランス(年4回)

※虎の門病院、東京慈恵会医科大学、聖路加国際病院、東京大学、日本赤十字社医療センターなどと合同カンファランス・研究会を年数回開催しています。

学会活動・臨床研究

(最近研究発表した内外の学会・研究会)

  • 日本内科学会・日本腎臓学会
  • 日本透析医学会
  • 日本腹膜透析医学会
  • 日本アクセス研究会
  • 腎不全研究会
  • 腎循環器病研究会
  • 臨床体液研究会
  • 東京PD研究会
  • 国際腎臓学会
  • 米国腎臓学会
  • 欧州透析移植腎臓学会
  • 国際腹膜透析学会

進路

近年、当院のレジデント終了後は大学院進学が多くなっています。一方、臨床病院への就職、開業などを選択される方もあります。(当科OBの勤務・就職先例)

  • 東京大学
  • 東京女子医科大学
  • 杏林大学
  • 福島県立医科大学
  • 日本赤十字社医療センター
  • 公立阿伎留医療センター
  • 開業医など

腎機能障害は他の臓器障害の原因となる一方、心臓、肺、肝臓など重要臓器の機能異常がしばしば腎不全の原因となります。腎不全が多臓器障害の一部として発現することもよく経験します。また、当院は多数の透析クリニックからの紹介・入院に対応しており、さまざまな臓器合併症を診療しています。これらの病態に適切に対応するためには、内科医としての幅広い経験に加え、内科の他の専門部門・他科・他院との連携をとりつつ診療できるコミュニケーション能力が必要となります(当科ではオープンネス、フェアネスをモットーとしています)。当科の研修プログラムは、この様な診療能力修得を目標にしています。総合的な内科診療能力を備えた腎臓内科医を目指して、我々と一緒に診療して下さる方をお待ちしています。

三瀬 直文 (腎臓内科 研修指導責任者)

三瀬 直文腎臓内科 研修指導責任者

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